全国各地で活動している13のグループが東京に集結。(財)地球温暖化産業技術研究機構 副理事長/副所長 茅陽一氏の講演「地球温暖化とその対応」を聴いた後、「買い替え戦略YES or NO」をテーマに意見交換を行いました。
講演は冒頭、講師から「実際に温暖化が起きているか?」と問われ、対策が世界的にどう進もうとしているか、
世界平均気温の上昇は生活に直接関係ある水や食糧など影響が出ていることを認識してほしいと始まった。
ヨーロッパは高緯度にも関わらず熱塩循環で暖かいが、このまま温暖化が進むと循環が切れる。
グリーンランド氷床は平均気温の上昇で今1年間に0.5㎜溶け毎年加速、全部溶けると7mの海面上昇の可能性があるという説明には衝撃を受けた。
CO2排出状況で日本(2004)は業務と家庭部門で大きく増加しているのは意外だった。
業務部門ではオフィス・小売卸売が伸び面積が増えたのが最大の理由。
家庭部門では家電品・暖房が伸びている。
新しい機器は効率改善されているが買い換えないと省エネにならない。買い換えをどう考えるかが課題である。
京都議定書のCO2削減は不確定な要因がたくさんあり2~3%未達成になるのではないか。
具体的に足りるかどうかは消費者運動に関ると言われ、
ポスト京都の3原則に
(1)主要排出国のすべてが参加
(2)各国の事情の差を考慮し一律にはしない
(3)環境保全と経済発展との両立 を挙げられた。
最後に受講者の質問への回答で
「温暖化は確定的でないことが多い。現実には一般消費者が朝から晩まで考えるのは無理。社会のしくみを作ることが必要」
との言葉が印象に残り、自分達にできることを考える必要があると感じた。
京都議定書で約束した2008-2012年に1990年比-6%の温室効果ガス削減目標を達成する為「チーム-6%・1人1日1kg国民運動」が提唱されています。
有効な削減方法の一つとして効率の良い省エネ製品への買い替えが挙げられていますが、「それってどうなの?」「賛成?反対?」をテーマに話し合いをしました。
「もったいない」と「高効率機器への買い替え」は両立するのか、真剣な話し合いが。
全国から集まった人たちは64人。
地域によりエネルギーの感じ方・使い方がまったく違い、家電製品の必要性も利用の仕方も違います。
それぞれの地域事情・ライフスタイルを話し合い、各地の「エネルギーと暮らしのかかわり」を知ることはあすかの活動の原点だと再確認しました。
・「チームマイナス6%」を聞いたことがある人が多かった。でも、知らない人もいます。
・どのようにして「1人1日1kg」削減する?
・「国民運動」は戦時中みたいで変だ!
CO2を減らさなくちゃいけないことは分かっているけれど、「こまめな省エネ行動だけでは達成困難!」の現実と
どう向き合い、乗り越えていくか・・・
・強制は嫌。
・行政がシステム構築によって、後押ししてくれたらいいのに。
・買い替え推進は使い捨て奨励じゃないの?
さまざまな意見が交わされましたが、
「効率の良い機器の選択には情報収集が不可欠、賢い消費者にならなくては。」ということでは一致しました。
年に一度の東京でのトークサロン。全国から集合したエネルギーに関心を持つ仲間たち。
基調講演・テーブルトークに引き続き開催された懇親会は、まるで同窓会の雰囲気。
それぞれのグループから発せられた元気の素は、互いに刺激しあいながら元気を増幅させ次々に伝播して行きました。
主催 NPO法人あすかエネルギーフォーラム・『フォーラム・エネルギーを考える』
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