東濃ひのきの産地、美濃白川では製材時にでる樹皮や端材などの木屑を燃やす木質バイオマス発電で木のゴミからエネルギーを取り出し、
二酸化炭素の排出も抑える究極の循環型林業に取り組んでいます。
全国からの参加者は
(1)東濃ひのき製品流通協同組合参事渡邊信吾氏から森の発電所(木質バイオマス発電所)の実情についての報告
(2)慶応義塾大学大学院教授金谷年展氏の講演「バイオマス発電とまちづくり」を聴いた後、
(3)「今、消費者として私たちにできること」のテーマでテーブルトークを行いました。
当日は緑豊かなクオーレふれあいの里のコテージに分宿し総桧造りのモデル住宅を会場に懇親を深めました。
6月14日(土)は実際に森の発電所を見学。併せて、東濃ひのきの住宅普及の原動力となるプレカット工場の見学やひのき材でMy箸作りにもトライ。
地域の食材をふんだんに使い手間隙かけたお弁当もいただき、「まちづくり」と森林資源のフル活用を体感できたトークサロン&研修会となりました。
東濃ひのき製品流通協同組合の木質バイオマス発電などの取り組みについて報告する、
参事 渡邊 信吾氏
地場の食材を使ったラーメン店を開設したご自身の体験に基づくまちづくりのお話からバイオマスを主とした新エネルギーの明るい未来までレジュメ無しの興味深い講演を展開された
観光地で有名な函館の鮨屋は地元で獲れた魚は20%のみ、朝市では90%の輸入魚が販売されている。また世界の金余りが「食糧・エネルギー」のファンドに投資され値上りを続けている等、多角的な話から私たちを引き付けて始まった。現在第1次世代のバイオマスは問題に突き当たっている。
ドライバイオマスは難しく(生木を乾かすのにエネルギーが必要)、タービンを利用するものは故障し易く、下水からメタンを発酵するものは発酵するまでにエネルギーを使いすぎる等がある。
今後の日本のバイオマスはドイツで開発進むバイオマスツーリキット(BTL)の方向で開発が必要である。日本で来年発売されるディーゼル車は軽油の99%のNoxが排除されるので、日本の車の3割を占めれば京都議定書目標値は達成できる。また来年からは電気自動車の量産時代を向かえ、一般家庭で昼は太陽光・夜は深夜電力で自動車に蓄電。車だけでなく家庭でも利用できる時代になる。
企業ではバイオマス発電した電気を電力会社に売るのではなく、社用車に利用した方がはるかに得。今後電気自動車の開発は大きくエネルギーのあり方を変えるだろう、と話された。
最後に「プロジェクトを成功させるには、理解力の有るトップと3人のブレーンが、いかに多くの人の心に火をつけられるかによって決まる」という講師の言葉は、バイオマス発電に取り組んでいる白川町の方やトークサロンに参加されて方のやる気の心に、さらに火をつけたお話になった
と強く感じた。
「今、(消費者として)私たちにできること」について、テーブルトークが交された。
総桧造りの木造モデルハウス桧香里(ひかり)
一部に東濃ひのきが使われているコテージ。
製材時に出た樹皮は処分に困る水分量の多いゴミだったが、乾燥させることで発電源となった。
端材は砕かれ、ベルトコンベヤーでチップサイロまで運ばれる。
東濃ひのき製品流通協同組合の皆様には大変お世話になりました。特に渡邊信吾氏には深く感謝申し上げます。
企画・運営:Ene☆Eco Wing
主催 NPO法人あすかエネルギーフォーラム・『フォーラム・エネルギーを考える』
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